令和3年6月10日にコラム欄に掲載した「私も含む、おじいさん・おばあさん勘違いしないで!?」において、ワクチン接種をした者から他者に感染させることがあるのではないかとの疑問を掲載しました。そのコラムでは、私自身医療関係者ではないので、素人の考えを述べたに過ぎませんでした。
しかし、その後、テレビなどでも同様のことを言っておられる専門家もいました。
今日、デジタル新聞紙上で日本ワクチン学会理事でもある森内浩幸・長崎大学教授の見解が掲載されているのを見ました。同教授のおっしゃっていることは概ね以下のとおりでした。
- 新たな変異株であるデルタ株に対してワクチンの効果が弱まったこともあり、ワクチンで感染そのものを防げる効果は64%ほどだというイスラエルのデータがあり、このデータによれば、ワクチンの2回接種を終えても、3人に1人は感染してしまうことになること
- ワクチン接種後に感染した場合、ワクチンの効果で症状がほぼ抑えられるため、この人たちが感染に気付かず動き回れば、ワクチンを接種した人からも感染を広げてしまう危険が高いことになること
- 日本では、まだワクチンの接種率自体が低い状態で、そのため、自分がワクチンを打ったからといって感染リスクの高い行動を取ってしまうと、周りにいる「まだワクチンを打てていない人」を守れない可能性が高いことを忘れてはいけないこと
- これらの点からすると、今年の夏はまだ「我慢」をすることが重要かと考えられ、1人の感染者から5~8人ほどの人に感染させるデルタ株の脅威によって、戦況が変わったともいえ、自分がワクチンを打てば安心、というのではなく、「どうすれば社会の中で感染を防ぎ、多くの命を守れるか」という視点での判断が求められること
再度言いたいと思います。おじいさん・おばあさんは、ご自分が「ワクチンを打ったから大丈夫」などと言って、東京や大都市にいる孫たちが帰省することを喜んではいけません。ワクチン接種を終えていても、感染はするのです。ですから、それを他者に感染させない行動が求められているのです。
大都市から帰省したお孫さんは若く、仮に感染していても無症状の場合があり、他者(ワクチン接種を受けているおじいさん・おばあさんを含みます。)に感染させる可能性があります。そして、感染したおじいさん・おばあさんは症状が出ないことから普通の生活で地元の人に感染させることが考えられます。
ですから、地元の友人、若者らに感染を拡げないために、おじいさん・おばあさんは、大都会からの帰省は断るべきです。ご自分の「孫に会いたい」などという我が儘は我慢すべきです。
本日(8/12)の長野県の感染者は何と89名と過去最高を記録していまいました。
日本中の国民の80とか90%の人がワクチン接種により集団免疫を獲得するまで、まだまだ、我慢をしなければならないのです。(このメカニズムについては私は知りません。受け売りです。)
その模範を示すのが、私を含めた年寄りの若い方々へのプレゼントではないでしょうか?
絶対に都会にいる息子に「お盆だから帰省して欲しい」「孫に会いたい」など駄々っ子のようなこと言ってプレッシャーをかけてはいけません。顔を見たいのであれば、リモートで孫の顔を見る等それなりの方法があります。