コラム

消費税増税 何か浮かれさせられてはいませんか?

令和元年10月1日から消費税が基本的に8%から10%に上げられました。 10月前の数ヶ月間は、テレビでもその他の報道でも毎日のように、低減税率の特集のような番組や記事が溢れかえっていました。 私の目には、TVに出てとくとくと軽減税率やポイント獲得について話しているコメンテーターは、「消費税の値上げ」を楽しんでいる光景としか映りませんでした。そもそも、消費税を上げる必要性はどのようなことだったのでしょう?
消費税の増額によって得られたお金は主として社会福祉のために使われるという前提があったはずです。

しかし、国会での審議において、増額分の使途について十分な議論がなされたのでしょうか?決してそうではないはずです。
国民から得た税金は様々なことに使われます。将来の日本を担う若年層・子供たちの教育を含む社会福祉、インフラ整備、防衛費等々です。

財務省は、「消費税率の引上げ分は、すべての世代を対象とする社会保障のために使われます。」と明言しています。

防衛省が2020年度予算の概算要求は2019年度予算に比して1・2%増額された5兆3223億円と過去最大となっています。この増額は第2次安倍政権発足後7年連続の要求増となっています。
防衛費の概算要求がこのようになった理由のひとつに北朝鮮弾道ミサイル防衛のためであるとして米国から導入する陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」があげられることは明らかです。イージス・アショア2基分のミサイル発射装置(VLS)には導入30年間の維持費約2千億円を加えると何と総額4492億円にも及ぶとも言われています。
さらに、中国の海洋進出に備えた太平洋の防空態勢強化として、最新鋭ステルス戦闘機F35Bの6機分846億円や、F35Bの発着艦を可能にするため護衛艦「いずも」を改修する費用として31億円も計上されています。

今回の増税の必要性についての議論は十分にされていたとは到底思われません。
国民を既定事実である消費税の使い途の議論から恰も遠ざけるように、決済を現金でなくせばポイントが貯まるなどという別の方向に誘導しているとしか考えようがありません。また、目眩ましを食らった国民が、お金を目的とする企業の餌食になるのでしょうか?
国民は6ヶ月の間にポイントを集めるなどということに奔走してはいけないのです。それよりも根本的に税金がどのように使われているのかに、もっともっと興味を持ち意見を述べていくべきではないでしょうか。