コラム

検察庁法改正案の今国会での審議が打ち切られました

このコラムを書いている前日(5/18)、遂に、今国会での検察庁法改正案の審議が打ち切られることになりました。
国民の圧倒的な反対・元検事総長ら検察庁OBによる反対意見の表明・弁護士会を始めとする各法律団体による反対意見の表明により安部内閣の目論見が一応延期された形になりました。
しかし、秋に開催される国会では再び法案として提出される可能性もあり、予断は許されません。

ところで、検察庁法の改正の他に、今国会には一般国家公務員の定年の段階的な延長に関する法案も提出されていましたが、内閣・与党はそれをも同時に今国会での成立は見送りました。その理由としては、簡単にいうと、内閣と各省庁との間においての調整等がなされていないということだそうです。
全くおかしな話です。どこまで「詭弁を弄する」のでしょうか。
内閣の説明では、一般国家公務員の定年延長の話があり、「検事も国家公務員であるから、ともに成立させる」というものであったはずです。
今になって、本体ともいえる一般国家公務員の定年延長について調整ができていないなどというのは、全くの虚偽答弁であるといわざるを得ません。
一般国家公務員の定年延長問題の陰に検察庁法の改正を忍び込ませて、どさくさ紛れに成立させようとしたことが明々白々となってしまいました。
内閣・与党は、一般国家公務員の定年延長などはどうでも良く、どんなことをしても検察庁法を改正したかったのです。
本当に主権者たる国民を愚弄した話です。

私たち日本国民は、現在の安部首相の形容詞を巧みに使う論調の演説で、法治主義を骨抜きにすることに異を唱えなければならない時期に来ていると思います。
今回の外出自粛により本当に大変な毎日を送っている方が多いとは思いますが、それによって政治にも興味を持つ機会が与えられた結果だといえるのではないでしょうか。