コラム

景気は良くなっているでしょうか?

日本の政治が1強多弱の状況となって久しいのですが、その間に、何とかミクスとかいうことで、好況の兆しがあるという報道がなされています。

これは本当なのでしょうか?

大企業は軒並みに黒字化したといいます。

しかし、地方の企業のうち金融機関を除き、そのような実体は全くといってよいほどありません。

大企業が黒字となるというのは、資産価値が上がり、いわゆる貸借対照表の上で黒字となったに過ぎないのです。

日本では、いつのことか知りませんが、アメリカ的な財務諸表により企業の決算を組むことが横行し、それによって企業の決算が組まれています。

これによると、簡単にいうと、貸借対照表上で、黒字となったり、赤字となったりする大きな要素として、企業の有する資産が多いのかどうかが問題となるのですが、例えば、ドル安・円高になれば、ドルを持っている会社の資産状況は良くなり、その逆の場合は会社の資産状況は悪くなります。大企業は、大なり小なり、資金の運用方法として株式の取引をしており、その市場が株式市場であることが多いのです。ですから、株式市場を活気付けさせ、株価が上昇すれば資産は増加する。それで、企業の会計は、黒字化していく。

これが企業の実体経済を反映しているものでしょうか?

地方では、中小企業の割合が都会に比べて圧倒的に大きく、このような名目上の資産価値の向上によりごまかせる企業はありません。

我々が生きていく上での「経済」とは、実際の収入より支出が少なければ黒字であり、その逆であれば赤字なのです。

この古典的な「経済」というものを忘れた「何とかミクス」というものは、ジャブジャブとお金を市場に流出させ、それを「運用」というゲームにより数字上増やすことであり、それに関係のない一般市民にとっては縁遠いものではないでしょうか?

日本再生のためには、収支という動態に主眼を置いた「経済」というものを見直さなければ決して良いものにはならないのだろうと思うのです。経済素人の考えかもしれませんが、私たち一市民はそれが一番大事なのです。

もう、あのバブルは望みませんし、その崩壊も真っ平なのです。