昨日(平成26年9月27日)午前11時52分、御嶽山が爆発し、多数の死傷者がでました。
紅葉を見て癒やされておられた方が一瞬にして、命を絶たれるということになってしまったことの無念さは言語に尽くしきれないものしょう。
お亡くなりになった方及びそのご親族等にはお悔やみ申し上げます。
ところで、現場には、消防隊員、警察官、自衛隊員、医師等様々な方々が行かれて、連日作業に当たっています。本当にご苦労様です。
その様子を見ていたところ、私にとって極めて奇異と思える光景が目に入りました。
殺人現場から遺体を搬送するときに、ブルーシート等で臨場者により覆いを作り、搬送される遺体等を見せないようにすることがあります。それは、亡くなった方への心遣いでありましょうし、そのような光景をマスコミにより報道されないようにするとの配慮であろうと思います。
今回の事故現場においても、ヘリコプターでご遺体が搬送される様子を撮った写真が大きく新聞に載っていました。その写真を見ると、やはり4~5名の臨場者が覆いを作っていたのです。
その心遣い等は理解することはできます。
しかし、有毒ガスが発生する危険性が大きく、いつ再度爆発するかもしれない現場において、数時間もかけて足下の悪い状況の登山道を登った隊員らはそれだけでも疲労困憊しているのです。そして、救助作業をしているのです。その疲労感は並大抵のものではないはずです。
それにもかかわらず、そのようなマスコミ対策的な行為にまで労力を割かなければならないとすれば、それは余りにも隊員たちに酷ではないかと思うのです。
隊員たちが疲労することにより、二次災害が発生しないとはいえません。
亡くなった方への配慮と同時に、臨場者に対しても配慮をしなければならないと思うのです。
そのためには、工夫が必要で、上記のような場合、それを担うのがマスコミです。
大災害における現場の悲惨さ等客観的事実を伝えるのはマスコミの仕事だとは思います。しかし、かといって、目的意識を失い、単にセンセーショナルな画像のみを追い求めることがあってはならないことも当然です。
亡くなった方のことも考え、臨場者の疲労も考えた報道行為のあり方を考えるべきです。
ご遺体の搬出については、マスコミが報道をしないという工夫をすれば、疲労感にむち打って何人もの臨場者がブルーシートで覆いを作る必要はないのです。
「ご遺体の様子を晒さないで亡くなった方の名誉を守る」ことは、このような悪言葉で言えば「無駄なこと」をしないように、マスコミを含めた各自が工夫すべきです。
そのためには、マスコミ関係者の高度な倫理観がなければならないことは当然です。
再度、お亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈りいたします。