最近、東京出張の帰りの「あずさ」で私の住んでいる選挙区の国会議員さんに会いました。私の高校の後輩にあたる人です。私とその議員さんとはそれほど面識がなく、選挙の前になると、私が属している県会議員の後援会の集まりに来て、一票をお願いしていくときや、テレビで話題になったときにご尊顔をお見かけするくらいです。
「あずさ」が松本に着き、列車から降りる直前ころ、話をする機会がありました。私は、その国会議員さんが属している政党が盛んに叫び続けている「憲法改正」について、善く善く考えてくださいと言いました。
すると、国会議員さんは、それまでとは違って、声のトーンが上がり、恰も自らの主張が正当だとでも言いたげに、「党是だからね。今の憲法は変えなければならない」と言いました。私が「もう少し考えて」と言いますと、それを遮るように「党是」と「必要性」を並べ立てるだけでした。
その言い振りには、まず、党是としての「憲法改正」があり、立憲制とは何か、憲法はそもそも権力者の専横を防止するために、権力者を規制するものであるとの基本的な考えは微塵も窺えませんでした。
こんな国会議員らに憲法が改正されてしまったら、一部のヒトラー擬きのセンセーショナルなスローガンにより国民は誘導され、日本は本当にとてつもなく方向に向かってしまうことは明らかです。
今こそ、国民は、真の意味での賢者の意見に真摯に耳を傾けなければなりません。
憲法は「日本が進むべき方向」を示し権力者を抑制する羅針盤のようなものです。
憲法の下にある法律は、憲法の理念等を実現していく具体的なものです。憲法の理念が風化していない以上、それを改正することはあり得ないのです。平和主義・基本的人権の保護という理想を謳い上げた憲法が、単に、中国が、北朝鮮が、ロシアが、テロリストがどうのこうのということで、その理念が風化することはないのです。
憲法の条項があると「・・・ができない」などといった議論はあり得ないのです。
憲法を都合で改正することがあっては決してあってはならないのです。
国会議員はもっと憲法の勉強をしなさい!!