コラム

ヘボい店員

東京出張の帰り、新宿のヨドなんとかカメラというパソコンなどの量販店に立ち寄った。モバイルのカバーが欲しかったので、迷路のような店舗をぐるぐる回ってようやく売り場に辿り着いた。

若い男の店員(A店員)が来たので、商品について質問をした。

ところが、A店員はファーのコートを着た20歳前半から中頃のお姉さんと毛糸の帽子(?)をかぶった背の高い今風のお兄さんのカップル(昔風にいうとアベック)が私と同じものを探しているらしく、一生懸命だった。僕の問いかけにも「少々お待ちください。」と息せき切った様子で通り過ぎ、レジのところで、在庫の確認の電話を始めた。そこには、別の客の応対をしていない男の店員(B店員)がいた。

私は、B店員には同じ問いかけをしなかった。というのは、A店員のその後を見たかったのだ。A店員は、在庫の確認の電話を終えると、再び先ほどのアベックのもとに行き、なかなかの乗りで話を始めた。

私は、「ここで買うのはよそう。」と思い店を出た。

「使えない奴だ」と心の中で思いながら・・・

A店員も入社して、ヨドなんとかカメラの「厳しい」研修を受けたのだろうと思う。

研修では、腰の脇に手を添えて、腰から折るお辞儀は教わっただろう。客が来店したとき、店を出るときの決まり文句も、商品が在庫にないときの断り方あるいは予約の取り方も。

しかし、気が利かないのである。

あれだけたくさんの店員がいる会社では、そんなことは問題ではないかもしれない。会社でも自営業でも、少人数であれば互いに互いのことを考えることもあるだろう。しかし、人数が多くなるということは、一緒に働いている人に対する思い遣りも存在する。人間関係は希薄になる状況では、相手を思い遣ることはなくなって、自分がすべきであると思い込んだことをやって満足する。

それは結構ろくでもない世界で、おもしろくない。

何しろ気が利かないヘボい店員だった。今度は別の店にしようか?