コラム

スズメの話

私は、首の長い水鳥やサギ類を除く鳥が好きで、小さい頃良く飼っていました。近所に鳥好きなおじさんがいて、時折、珍しい鳥を「鳥もち」で捕まえたと言って、籠ごとくれました。巣から落ちたスズメやモズを育てたこともあります。
そんな中で、小さい頃はどこにでもいて、人々は空気銃で取って食したりもしていた鳥であるスズメが少なくなっている感じがします。読み物を見ても、そんな状況が書かれているものもあります。スズメが少なくなった理由としてあげられるのが、建築の進歩によるところが多いというのです。昔建てられた一般住宅には隙間のある軒があり、そこからスズメは屋根裏に入ることができ、営巣することができました。しかし、建築の進歩とともに隙間のない軒となってしまい。営巣する場所が少なくなったことがあげられるというのです。そういえば、私が小さい頃、5月過ぎ頃、屋根裏でスズメの雛が餌をねだって鳴いていることがありました。

スズメには普通のスズメと若干小さく色の薄いニュウナイスズメがいます。日本の中で夏冬の居場所を変えることはある留鳥と言われますが、渡りはしないといわれています。
猛暑の日も厳冬の日もいつも私たちの身近にいてくれます。厳冬期には体を膨らませて風の当たらない場所で寄り添っている様子も見受けられます。それは人間の姿にもオーバーラップされ、本当に愛おしく思えます。

スズメは、その昔、稲などを食する害鳥(私の記憶では、殊にニュウナイスズメは稲の若穂を狙うということで)扱いをされていました。しかし、その害は思ったほどではなく、現在ではそのような被害の報告はないと思います。子育てのときには虫を捕らえるのですから益鳥ともいえるのです。
最近、環境に対する極めて旺盛な適応力を持ったカラスが幅を効かせており、スズメの巣を襲うこともあり、時折、人家の屋根で小鳥を食しているカラスを見かけることもあります。

小さくて、本来は逞しくて、しかし、環境の変化でその存在が危ぶまれている町のスズメのために何とかできないものでしょうか?