コンビニエンスストア(コンビニ)は、今、小売業の中で最も世間を席巻しているものだ。「R」などは、安部政権により景気が上向いたことを示すためか、或いはその勢いをつけるためかは知らないが、いち早く全従業員の賃金を上げたということだ。
ところで、ところでです。
最近、コンビニの店の前にあったはずの分別されたゴミ箱がない店が増えている。コンビニのゴミ箱に平然と家庭ゴミを捨てる輩もいることを考えると、コンビニの自衛策なのかもしれない。
しかし、何かおかしい。
コンビニは、大量の物品を販売し、生鮮食品などは賞味期限切れになると惜しげもなく廃棄する。そして、売れれば売れるほど、自らが販売した物品を包んでいた包装紙などが社会に放出される。そして、一握り(と、信じたい)の心なき者により、そのゴミと化した包装紙が社会の中に無秩序に放出というより不法に廃棄されるのだ。
自動車業界においては、廃棄される自動車からは、シュレッダーダストが生み出されることから、新車を購入するときに、顧客から廃棄料を事前に徴収している。その方法が妥当かどうかは判らないが、自らの製品の製造・販売が公害の元になっていることを認識していることには違いはない。
従前、顧客が正当或いは不正にゴミ箱に捨てていった包装紙などのゴミについては、自らの販売行為に付随するものとして、その店舗が自腹を切ってその処理をしていた。
ところが、それをしなくなると、コンビニにとっては、廃棄処分料が不要にはなるという経済的負担から解放される。だが、コンビニから買ったもの程度のゴミというものは、「捨てやすく」「持ち運びに不便な」物が多く、小さな悪意により、庭の植え込みや、ビルの陰など人目につかない場所に放置されることが多くなることは必至である。
コンビニの商品は、ほとんどのものが梱包されていて、必ずゴミを排出している。コンビニでくれる袋も、持ち運びや、自家用車内のゴミ袋などに便利なものであると同時に、食べ残しや包装紙をいれて入り口をそっと結び、その辺に捨てるにはもってこいのものだ。
コンビニは、自らの販売する物に責任を持つべきだ。ゴミの処分料が従業員の昇級の原資にあてられたというのであれば、その企業が給料を上げたと得意げに吹聴しても全く意味のないスタンドプレーだろう。
コンビニはゴミ箱を復活させるべきだ。それがコンビニの社会的責務だろう。