腹が立っていることをひとつ。
私は昨今の社会では嫌われ者の喫煙者だ。
その迫害は日に日にエスカレートしているが、今回はそれを問題とするのではない。
コンビニエンスストアでタバコを買うときの手続である。
レジでタバコの銘柄を言い、店員がそれを取り出してレジスターでポスを読み取る。すると、レジ脇にある画面に、20歳以上であることの確認のために「はい」という表示が出で、それを指でタッチして欲しいというのだ。
誰が見ても私が20歳未満にはみえるはずはない。
未成年者(満20歳未満)に対しては、タバコ・酒を売ってはいけないことになっており、未成年者と知りつつそれらを売った者は処罰の対象となる。
それは未成年者の保護の立場からそうなっているのであり、コンビニエンスストアは未成年者に対してタバコ・酒の販売をしてはいけない義務があるのである。
ところで、レジで、タバコ・酒の購入者全員に「はい」というボタンを押させることにより、証明されるのは「タバコ・酒を購入し『はい』のボタンを押した者がいる」という事実であり、「はい」のボタンを押した者が20歳以上であることは判らない。これは事実認定の手法からしたら常識である。即ち、「そのコンビニエンスストアが20歳以上の者にのみタバコ・酒を売り、未成年者には販売していない」事実の証明とはならないのである。
それなのに、何故に、このようなことが横行しているのか?
それは単に、コンビニエンスストアのレジと「はい」のボタンを連動させることにより、自らは未成年者にタバコ・酒を売っていないとの証拠としようとしているのだろうが、上記のとおり的外れなものである。
未成年者にタバコ・酒を販売しなかったことは、実際に販売した店員のみ知るのであって、それが手心を加えたときに、「はい」のボタンを押した実績は何ら役に立たないことを肝に銘じるべきだ。
「はい」のボタンを押した蓄積によって、未成年者にタバコ・酒を販売しなかったことにはならないし、何より、そんなコンビニエンスストアだから未成年者の悪を助長することになってしまうのだ。
日本の企業はこれほどまでに頭が悪くなってしまったのかと嘆きたくなる。